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ふるほん2026.07.12FURUHON

100円の棚から、週末がはじまる

100円の棚から、
週末がはじまる
ふるほん2026.07.12

古本屋の店先には、たいてい100円の棚があります。わたしの週末は、だいたいここから始まります。

新刊書店で本を選ぶときは、失敗したくないので慎重になります。100円の棚では、その緊張がありません。タイトルが気になったら買う。著者を知らなくても買う。コーヒー1杯より安い賭けです。

文庫本を開く手元

「積む」ことに罪悪感がいらない

先月買ったのは、30年前の随筆集と、誰かの旅行記と、鳥の図鑑。3冊で300円。正直に書くと、鳥の図鑑はまだ開いていません。でも100円なら「いつか読む」を気軽に積めます。本棚の「いつか」は、案外ちゃんと順番が来ます。随筆集は2週間後の雨の土曜に読みました。

本棚の背表紙の列

前の持ち主の気配

古本のページの間から、たまに何かが出てきます。喫茶店のレシート、映画の半券。書き込みのある本も好きです。誰かが線を引いた文に、自分も線を引きたくなったとき、知らない人と少しだけ友達になった気がします。

100円玉を3枚ポケットに入れて、店先の棚へ。週末の始め方として、これより安くて確実なものを、わたしはまだ知りません。